目の前にいるのは「店員」である前に「人」

読者の皆さん、こんにちは。現在6店舗、田舎町のシャッター通りで前例がなくても店舗プロデュースと運営が「やれる」ってことを生き様で見せつけてやるったいの気概でがんばる男、船津脩平(37)です(長い)

さて、今回は、弊社は「ファン第一主義」そして同じくらい大切にしているのはクルー(従業員)ですって話を。

お店をやってる人はもちろん、お店を使う側の人にも見てほしい、伸びてる店舗プロデュース会社の社長やクルーの考え方。


お客様は神様です、ほんと?

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「お客様は神様です」って言ったレジェンド経営者もおられますが、ぶっちゃけ私は全くそうは思っておりません。お客様は、お客様です(笑)そもそも、弊社ではお客様をグループ分けして認識しています。そして、これは社内の教材リリグラムにも明記しており、お客様を一緒くたに扱わない(認識しない)ことを社内では教育しています。

  • お客様には5つのグループ分け
    • ファン
    • お客さん
    • 一見(いちげん)さん
    • クレーマー(まだ一理あるなと思える範囲)
    • ブラックリスト(出禁さん、恥ずかしいね!)

そして、当然ですが、ファンを増やそう!って合言葉のもと、全ての店舗は運営されている訳です。増やしたいのは、「お客さん」ではなく、ファンです。もちろん、一見さん⇨お客さん⇨ファンって流れを踏むのが一般的ですから、まずは一見さんに来てほしい訳ですけどね。

さて、ファンは弊社にとって神様も同然。こういう方々のおかげで、私たちお店をする者たちは、働きがい、やりがい、そして喜んでもらう喜びといった仕事をする幸せを感じ、より良いお店サービスを作っていこうというモチベーションもいただけるとても大事な存在です。

ファンの方は、節度を持って弊社店舗の在り方を信頼してくださっていて、「通うのがすごく楽しい、楽しみ」「このお店(この人、このサービス、この商品)は私にとって、なくては困る!」「存続し続けてほしいと願ってくださる」という具合にお店がその方にとってそんな存在になってる状態。ファンとクルーはとても良好な、理想の関係性です。

おかげさまで、弊社にはたくさんのファンがいてくださっています。それこそ、10年経営やっていますが、10年前から今でもずっとというファンの方や、ここ1年くらいだけど、いいペースで定期的にコーヒーを飲みに来てくれて、お優しい声をかけてくださったり、もうほんとありがたい。私たちは、心を込めてお店を作っています。だから、本当にいいお客様(ファンの皆様)に愛され、囲まれているからこそ、10年発展し続けている今があるのだと思っています。(改めまして、ありがとうございます)


どんなお客様が「いいお客様」か?

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どんなお客様がいいお客様だと思いますか?

  • Q1) たくさん来店するお客様がいいお客様?
    • いいえ、そうとは限りません。(むしろ違う場合が多い)
  • Q2) 多くの支払いをしてくださっているお客様がいいお客様?
    • いいえ、そうとは限りません。(むしろ違う場合が多い)
  • Q3) 多くのお客様を連れてきてくれる(お店を紹介してくださる)お客様がいいお客様?
    • いいえ、そうとは限りません。(むしろ違う場合が多い)
  • Q4) ある特定の店員のことが大好きで、マメに通ってくださって、信者のような熱烈なお客様がいいお客様?
    いいえ、そうとは限りません。(むしろ違う場合が多い)



・・・ではどんなお客様がいいお客様でしょう?


スバリ!店員が好きなお客様です!どん!

言い換えると、
店員から好かれるお店への『配慮や心遣い、ご理解』のあるお客様です!どーん!

もっと言い換えると、
配慮なんてしなくてもいいシーン(お店のお客さん)なのに、配慮してくださるその人間性に魅力を感じるってことですよ!どんどんどーん!



シンプルでしょう?もう少し噛み砕くと、以下の5つが揃った、といえば伝わりやすいでしょうか?

  • いいお客様とは
    • 1)この店の考え方や在り方が好きだとご自身で感じとっている。
    • 2)礼節やマナーを守った利用をしてくれるお人柄
    • 3)利用金額の大小や利用頻度は全く関係ない。その方のペースでいいので、定期的に落ち着いた態度でお店を大切に使ってくださるお人柄
    • 4)気分の浮き沈みを(人ならば多少はあるのはわかりますけど)店員や店舗にて迷惑な振る舞いや意味不明なクレームに換えてストレス発散するような、ダサい言動をしない方
    • 5)必ずしも店員とコミュニケーションをうまくとらなくて全然良くて、自分のペースで、ここが好きで、大切に使ってくださる方。(3番と少し被ってしまった!)


結局、人として礼儀と魅力があるかどうかですね。

そんな人は好かれるし、礼儀がない人は社会から嫌われる。

学校のクラスでもおんなじ。お店からも同じこと。


目の前にいるのは店員である前に「人」

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お店をやってるのは「人」なのだから、人として好きかどうか、それすなわち、お客様として好きかどうか=いいお客様かどうかです。

私がしてるような飲食店やジム、美容業って、利用者からすればリラックスしていいし、プライベートだから肩肘張ることもしなくていい。むしろしないでくつろいで欲しい、店員はそう思っています。それって、礼節を意識しなくてもいい、礼儀なんてその人の自由でいいってことなんですよね。


挨拶をしなくてもいい場所がお店、だからこそ、ほんとの人柄が出ちゃうのよ。

店員は挨拶をする、ある意味で、それは仕事ですから。

お客さんは挨拶をしなくても別にいいわけです。

でも、それにも関わらず気持ちのいい挨拶をしてくれる方も少なくない。クルーは、仕事とはいえ「人」ですから、挨拶をしたときに無視されて嬉しいわけない

だから、よくコンビニや居酒屋のレジでの態度がその人の人柄っていうでしょう?カフェ、ジム、ヘッドスパ屋さんをしてる弊社でも同じ。そういう場所でこそ、その人の人柄が出るっていうでしょう。その人の本性が。


素晴らしいお客さんをクルーも好きになる。それが人間。

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人を見下してるつもりはなくても、目の前にいる人は店員である前に人なので、「ありがとう」とか「はい(返事)」とか「・・・です(敬語)」「ご馳走様でした」とか、普通に言動に反映できないのは、そういうレベルの人柄ってこと。だからと言って、その方を責めたりしませんし軽蔑もしません。その方の人としての成長に言及するほど暇じゃないので(笑)

ただ、店員は、そういう人を「好き」にはなる訳ないし、人として魅力を感じないのは、クルーも人だから当たり前でしょう。そして、そんなお客さんがいくら高額払ってくれたり、頻繁に来店してくれても、結構嫌だったりするのが本音。

とても、自然なこと。一生懸命に、心を込めてお店づくりをしている人なら、多くの方が共感する事実なのではと思います。


値上げのご連絡をして見えてきたこと

先日、弊社では全店一斉に一部商品の値上げをさせていただくご連絡を顧客の皆様に発信しました。

「値上げ」で喜ぶお客様はいるはずがありません。それは私だってイチ消費者ですから、重々わかっております。だからこそ、値上げの理由をしっかり説明をし、礼節を以て心からのお詫びの気持ちで文章を練り発信をしました。

責任は代表である私が取るわけですが、現場クルー(私も現場には立っておりますが)が直接お客様と接するわけですので、値上げに関するクレーム等がもしあれば現場クルーに負担をかけてしまいかねません。いざ告知をし、さてどうなることやらと心配しながら告知からおよそ1週間を過ごしました。

ここまで、クレームと言えるようなクレームの報告は、数件。1000名以上に発信告知をしていますから、それは少ないものですが、その中でもたった1件、うちのクルーを泣かせてしまうほどのがあったようで・・・。クレームを言いつつも、そのくせ、まだ当店には通うらしい。なんやねん!


うちのクルーを泣かすなよ!

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正直、そんなお客さんは全く以ていいお客さんではない、クレーマーは一見さん以下です。通ってくれなくていいんだけど。うちの現場クルーに心理的な負担をかけないでくれますか。

いい客さんってのは、文句を言わないんですよ。しかも、クルーを泣かすほどに。サイテー。マジで私はこの件、怒ってます。

値上げをする権利は、会社にあります。そして、値上がりをしたら、その店を選ばない権利はお客様にあります。したがって、値上げをして文句言われる筋合いは、実はないのです。

(ましてや値上げせざるを得ない理由を丁寧に説明しているのにも関わらず、泣かすほどのクレームって、人としてあり得んでしょ。)


ファンとクルーこそ宝物。

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とはいえ、私どもも、人としてね、値上げはごめんなさいって心情面に寄り添って(本心から)すみませんって伝えてるのであって、それで本当に嫌なら値上がりしたら来なければいい、って覚悟を持って取り組んでいます。

そりゃ一旦売上は下がるでしょう、でもね、選んでくれる方は大勢いるので。もしろ、理解のない顧客さはさり、理解のある顧客が残る(増える)。だから、いい新陳代謝にもなる。それが経営の面白いところでもある。

値上げなんてお客さんは誰も喜んでいない。喜ぶわけないじゃないですか、値上げで喜ぶってそれこそ神か仏かでしょ。私たちはそこまで望むわけない、ただただ、「申し訳ないですが、諸事情ご賢察ください」って気持ち。

そして、99%のいいお客様たちは、諸事情ご賢察され、値上げ後も来てくださるクレームを言わずに、です。言って(泣かせて)来るなんてクソ。


  • 整理すると
    • クレームを言わず、ご賢察のもと通い続けてくださる
      • ⇨とても素晴らしい。脱帽でしかありません。感謝!感動!
    • クレームを言わず、値上げ後は当店の利用をやめる
      • ⇨仕方ないです。申し訳ないですが、運営上どうしても必要なので値上げをしたので、それを選ばない権利はお客様にあります。残念ですが、仕方ないと思います。
    • クレームを言って、通い続ける
      • ⇨いや、クレームを言うなら通ってくれなくていいんだけど、って気持ちです。他店さんに行けばいいじゃないですか。
    • クレームを言って、通わなくなる。
      • ⇨早くどっか行ってほしい。あまりにもクレームが酷いと訴える。値上げはこちらの事情があってやむなくやったこと、値段設定の権利はこちらにあります。通わないつもりなら、黙って去ってくれるのがマナーだと思うのですが。あまりにもクレームが悪質だと、取るべき手段を断固としてとっています(当然)


御社では、お客さんよりクルーを大切にするってほんと?

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はい、ほんとです。弊社では、お客さんよりクルーを大切にしています。これめちゃ当たり前です。なんか文句ありますか?会社の価値観は自由でいいはずです。弊社では、クルーの方が大事。クルーがいないとお店って成り立たないですよ。



・・・っていうと、はい、
こう返してくる人もいる。


お客さんの方が大事じゃないですか?だって、お客さんがいないと、給料も出ないでしょうし、お店は成り立たないでしょう?って返してくる人もいる。

チッチッチ(経営ど素人さんめ)

クルーを徹底的に大事にすれば、その姿勢に共感するいいお客様がたくさん来られます。私たちは、こういう価値観ですよって発信し、染み渡り、そういう香りが会社全体にオーラのように漂うことで(漂わせることで)実は、お客様を選んでいるわけです。

もっと分かりやすくいえば、

お客さんの方が大事でしょう?っていうような考えの客が100人来なくなっても、逆に、従業員を大事にするお店は素晴らしいって考えの客が100人くるわけです。

っつーか、従業員を大事にするって当たり前やし。

そして、一元さんより、ほんとにお店に理解あるファンをクルーと同じくらい大事にするって考え方。めっちゃ普通のこと。


伸びてる会社にはポリシーがある

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お店をしてる皆さん、ポリシー持ってやってますか?また、それを明文化してますか?

ポリシーを明確にすれば、お客さんは自然と淘汰され、望ましいお客さん(いいお客さん=ファン)に囲まれてお店の運営ができるようになりますよ。

もちろん、簡単な道のりではありませんが、お店をやるのなら、覚悟を持って出店したりお勤めになってることと思いますから、いまさら難しいことではないでしょう。

売り上げが下がることを恐れないでください。

正しいポリシーのもと、心を込めて実行された経営の一石は、必ず明るい未来を引き寄せるものです。


売上なんて、ただの結果。楽しく働くために、つまらんお客さんにはバイバイして、理解ある真のファンを増やそう。

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勇気を持って、自分が大事にしたいものを大事だと言い、素晴らしいクルーと素晴らしいファンに囲まれて、生き生きと仕事をしようではありませんか。

私は、10年間、今でも、そうしています。そして、そのために排除するものは排除する勇気(クレーマーには去ってもらう)も持って、時に実行してここまでやってきました。10年やってきて、そんな訳わからん程の去らせたクレーマーは3名くらいですけどね(よほどじゃないとそんな対応しませんけど)

神や仏じゃない、私たちは人なんだから、色々トラブったっていいじゃない。一個一個乗り越えて、ポリシー持って、心を込めて、いい仕事をしましょう。


店員さんの愛やスキルは、魔法なんだから。

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店員さんの技術や心遣いは魔法のようなもの。人を幸せにする魔法。人の問題を解決してくれる魔法です。それを、本当に望んでいる方、必要としている方は、もっと他にたくさんいるのですから。

そういうお客様との時間や出会いに、店員は全エネルギーを注いでもらいたいと思います。

店員さんの愛やスキルは、公共のため(みんなのため)の『魔法』。お金を払ってくれる方のためじゃなく、それを本当に必要としている方のため、喜んでくれる人のために、プロのエネルギーも時間も使わないと、勿体無い。

そういつも考えており、例えば私のトレーナーとしての15年で培ったスキルや知識だって、多くの方のお役に立てたい。お金がなくても、欲する方にどうしたらこのスキルを届けられるか、喜んでもらえるか、その方の人生のお役にトレーナーとして立てるのか、いつもそんなことばかり考えています。だから、つまらん勘違いした顧客とは躊躇なくバイバイできるのです。


究極は「何のために働いてるのか」ってこと

1こ捨てれば、1こ現れる。世の中そんなもんだし、経営もそんなもの。

最後に、金儲けがしたくて、仕事してる訳じゃない。

人の役に立ち、人に喜んでもらいたくて仕事をしています。少なくとも、私や弊社のクルーたちは。だから、うちはファンが多いのだろうし、こうして10年発展を続けてこれてるのだろうと思います。

この考え方は、ファンとクルーを大切に(お客様をグループ分けしましょう)って考えでずっとやってきています。この10年がその正しさを証明してる。

今、お店をしてて、こういったことで悩んでる方がいたら、参考にしてみてください。痛みが伴うこともあると思いますが、長い目で見れば、正しい方向への改善は着々とやって行った方がいいはずです。必要なのは、ポリシーと勇気。その道で生きていく「覚悟」はとっくにできてるはずですから。

ありがとうございました。