
佐賀市唐人のブックカフェ「CAFE木と本」。その2階の奥に、ヘッドスパだけを行う完全個室のブースがあります。「ヘッドスパ木と本」です。2015年、木と本と同じ年に開業し、2026年9月で11周年を迎えました。
カフェの中にヘッドスパがある、という組み合わせは珍しいかもしれません。株式会社RELI.STYLEが手がけてきた店の中でも、少し変わった成り立ちの店です。この記事では、店の宣伝ではなく経営の目線から、なぜカフェの2階にヘッドスパを置いたのか、会社の中でどんな役割を担ってきたのかをまとめます。
佐賀のヘッドスパ専門店「ヘッドスパ木と本」とは
ヘッドスパ木と本は、CAFE木と本(佐賀市唐人1-2-18)の2階にある、ヘッドスパ専門の美容室です。施術はヘッドスパ専用の完全個室ブースで、1人のスタッフが最初から最後まで担当します。公式サイトによれば、担当はヘッドスパ歴13年の美容師で、カウンセリング、頭皮のもみほぐし、シャンプー、仕上げのドライまでを行います。
店が一番大切にしているのは「丁寧にほぐす」こと。ドライヘッドスパや美容室のついでのメニューではなく、ヘッドスパだけを続けてきた専門店です。開業からこれまでに2,000名を超える方の頭皮に触れてきたと公式サイトで紹介しています。男性の利用も多く、人目を気にせず過ごせる個室であることが選ばれる理由の一つになっています。
なぜブックカフェの2階に、完全個室のヘッドスパを置いたのか
答えは、木と本というブランドの成り立ちにあります。木と本のコンセプトは「木と本+人=体を休める場所」。店名の「木」と「本」に、にんべん(人)を足すと「休」と「体」になる、という考え方です。
代表の船津は、2019年のブログ「7つ目の起業 / LIGHTHOUSE」で、これまでの起業を一つずつ振り返っています。その中でヘッドスパ木と本について、木と本のブランディングで最も大切にしている一貫したコンセプトは「体を休める場所が木と本である」ことであり、心身を休められる居心地の良い空間とサービスを提供したいという思いが詰まった場所だから「ヘッドスパがあってもいい」と書いています。
本を読みながら長居できるカフェと、頭をほぐして休めるヘッドスパ。業種は違っても「休む」という一点でつながっている。だから同じ建物に同居していても、ちぐはぐにならない。ここが、この組み合わせの出発点です。
もう一つの理由として、船津は同じブログで、カフェ飲食部門・ヘッドスパ部門・コワーキング部門のそれぞれに「様々な経営上の相乗効果を期待できる」ことを挙げています。1階はカフェ、2階は会員制ワークスペースとヘッドスパ。一つの建物の中に、目的の違う複数の部門を重ねる設計です。実際、ヘッドスパの公式サイトでも「CAFE木と本の2階」であることを場所の案内の中心に据えています。
素人が始めた美容の店を、専門家とのパートナーシップで軌道に乗せた
船津はもともとフィットネスのトレーナーとして独立した人で、美容業の経験はありません。本人もブログで、ヘッドスパや美容業については「素人」だとはっきり書いています。そのうえで、ヘッドスパ木と本はその道のプロがパートナーとしていてくれたからスタートでき、悪戦苦闘しながらも軌道に乗せることができた、と振り返っています。
RELI.STYLEの店づくりは、社長が何でも自分でやる形ではありません。足りない力は、その分野のプロと組んで補う。ヘッドスパ木と本は、その考え方がもっともはっきり表れた店の一つです。
2019年の時点で船津は、ヘッドスパ木と本を「店舗数」には数えないものの、立派な経営状況を誇る部門で、「いつでも独立店舗にできるだけの独自のファンも多い」と書いています。小さな個室一つから始まった部門が、それだけの存在になっていたということです。
会社の中の役割:一人のプロを中心に回る事業部
現在、ヘッドスパ木と本は会社の中で「ヘッドスパ事業部」として位置づけられています。カフェ事業部、フィットネス事業部、コワーキング事業部と並ぶ、4つの事業部の一つです。
2025年の振り返りのブログ「2025年を振り返る・会社経営と社長の日々」で、船津はこの事業部について書いています。店舗の立ち上げから会社を支えてきた店長が、1年間の育休を経て仕事に戻ってきたこと。戻ってすぐに昔からのファンが喜び、予約が埋まって一気に軌道に戻ったこと。そして、育休は会社として推奨していると明言しています。
少人数の専門店は、担い手が欠けると店そのものが止まりかねません。それでも会社として育休を後押しし、戻れる場所を残しておく。ヘッドスパ木と本は、一人のプロの技術とお客様との関係を、会社の側が長く支えることで続いてきた店だと言えます。
唐人の街にとっての意味
RELI.STYLEは、佐賀市唐人エリアに9つの店を構えています。すべて徒歩圏内です。カフェ、ジム、レンタルスペース、和菓子店と業態はさまざまですが、どれも「街に人が来る理由」を一つずつ増やす取り組みです。
ヘッドスパ木と本が足しているのは、「休みに来る」という理由です。カフェで本を読みに来た人が2階のヘッドスパを知り、ヘッドスパに来た人が1階で珈琲を飲んで帰る。一つの建物の中で過ごし方が重なることで、唐人で過ごす時間そのものが少し長くなります。
これから店を出す人・経営する人へのヒント
ヘッドスパ木と本の成り立ちから、これから店を出す人、すでに店を経営している人にとってのヒントを3つ挙げます。
- 業種ではなく、コンセプトで組み合わせる。カフェとヘッドスパは業種で見れば無関係です。けれど「体を休める場所」というコンセプトでつなげば、一つのブランドの中で自然に同居できます。何を足すかは、業種の相性より「その店が何のための場所か」で決めると、ぶれにくくなります。
- 自分にない専門性は、プロと組んで補う。経営者がすべての分野に詳しい必要はありません。美容の経験がなかった代表が、プロのパートナーと組むことでヘッドスパを軌道に乗せました。大事なのは、組む相手が長く力を発揮できる場をつくることです。
- 小さな部門でも、独立できるほど磨く。個室一つのヘッドスパでも、独自のファンを持つ一つの事業になり得ます。大きな建物の「おまけ」ではなく、それだけで選ばれる専門店として磨くことが、結果的に建物全体の価値を上げます。
店舗の情報
- 店名:ヘッドスパ木と本(完全個室ヘッドスパサロン)
- 所在地:佐賀県佐賀市唐人1-2-18 CAFE木と本2F
- 電話:070-4196-7504
- 営業日:火・水・金・土/不定休
- 開業:2015年
- 公式サイト:https://headspa-kitohon.com
- 会社サイトの店舗紹介:ヘッドスパ木と本/同じ建物のCAFE木と本
RELI.STYLEの最初の店については、「RELI.STYLE FITNESS|佐賀・唐人町の最初の一店を、なぜ女性専用の少人数ジムにしたのか」で紹介しています。